ニュース


2025年3月12日

PDB アーカイブとの統合を含む PDB-IHM の最近の更新が、Journal of Molecular Biology に掲載されました: Vallat B et al., PDB-IHM: A System for Deposition, Curation, Validation, and Dissemination of Integrative Structures, J Mol Biol. 2025; 168963. doi: 10.1016/j.jmb.2025.168963.

2025年2月26日

IHM 検証ソフトウェアのバージョン 2 (V2) がリリースされました。更新された検証ソフトウェアが PDB-IHM 登録およびデータ収集システムに実装され、新しいディポジションを支援しています。公開されたすべてのエントリについて、V2検証レポートが再生成され、PDBアーカイブのPDB-IHMブランチおよびPDB-IHMウェブサイトで公開されています。IHM 検証ソフトウェアは、GitHub 経由でスタンドアロンで使用することもできます。

更新されたバージョンでは、IHM 検証が拡張され、これまでV1がサポートしている小角散乱 (SAS) データに加えて、化学架橋質量分析 (Crosslinking-MS) データから取得された構造も含まれるようになりました。Crosslinking-MS コミュニティと協力して、Crosslinking-MS に基づく構造の検証を可能にするために、PRIDE リポジトリ と相互運用するためのメカニズムが開発されました。IHM 検証レポートと V2 アップデートに関する追加情報は、PDB-IHM検証のヘルプページユーザーガイドに記載されています。

2024年11月26日

2024 年 8 月、PDB-Dev は PDB と統合され、PDB アーカイブにアーカイブされた実験構造とともに統合構造が提供されるようになりました。統合に伴い、PDB-Dev は PDB-IHM に改名され、PDBにアーカイブされたIntegrative/Hybrid法(IHM)構造を示すようになりました。統一により、統合構造には PDB アクセッション コードが割り当てられ、IHM 構造として注釈付け、PDB アーカイブからダウンロードできるようになりました。 今後、アメリカのRCSB PDB、ヨーロッパのPDBe)、日本のPDBj などの wwPDB パートナーは、それぞれのウェブポータルで統合構造を公開する予定です。私たちは、統合構造の登録がさらに増え、PDB-IHM が持続的に成長することを期待しており、構造生物学コミュニティの新たなニーズを今後もサポートしていきます。

2024年10月4日

PDB-IHMの統合構造は、現在wwPDB Digital Object Identifier(DOI)ランディングページで、PDBアーカイブの225,000を超える実験構造とともに利用可能になりました。DOI ランディング ページは、PDB-IHMのリリース済みエントリおよび保留中のエントリの両方で利用できます。これらのページでは、対応する統合構造に関する基本情報を示し、PDB アーカイブ(https://files.wwpdb.org/pub/pdb_ihm/)からのモデル座標と検証ファイルのダウンロードを提供し、 PDB-Dev リソースへのリンクも提供します。また、PDB-IHMのウェブサイトも更新され、エントリーページに新たにPDB DOIへのリンクが追加されました。

例えば、PDB DOI 経由で PDB アーカイブに最近リリースされた統合構造の DOI ランディング ページにアクセスして見てください:https://doi.org/10.2210/pdb9a8n/pdb.

各エントリの発行された PDB DOI は、PDB ID が記載されている論文のオンライン版からリンクされています。統合構造は、wwPDBのDOIランディングページで 「Structure Determination Methodology 」という用語を使って特定されます。

ご質問や意見があれば helpdesk@pdb-ihm.org までご連絡ください。詳しくは wwpdb.org をご覧ください。

2024年8月14日

Integrative/Hybrid構造決定法(IHM)によって決定された構造は、PDBアーカイブで実験構造とともに利用できるようになりました。これらの構造は PDB-IHM システムにデポジットと処理されます。ユーザーはPDB archiveからIHM構造および関連データにアクセスし、ダウンロードすることができます。

現在、JSON形式の保持ファイル、PDF形式の検証レポート(概要レポートと完全レポート)、PDBx/mmCIF形式のモデルファイルが提供されています。

  • /pdb_ihm/holdings/ (現在の保有状況、リリース済みの構造、最終更新日、未リリースのエントリ)
  • /pdb_ihm/data/entries/hash/{PDB_id}/validation_reports/ (概要と完全検証レポート)
  • /pdb_ihm/data/entries/hash/{PDB_id}/structures/ (モデルファイルの最新バージョン)

データはコミュニティのニーズに基づいて将来拡張される可能性があります。近い将来、IHM データは wwPDB DOI ランディング ページおよび wwPDB パートナー Web サイトでも利用できるようになります。

ご質問やご意見は deposit-help@mail.wwpdb.org また helpdesk@pdb-ihm.orgまでお問い合わせください。

2024年8月14日

PDB-IHM にデポジットされた統合構造には、4 文字の PDB アクセッション コード (例: 8ZZ1) が発行されます。今後は、すべての新しいデポジションに対して PDB アクセッション コードのみが発行され、PDB-IHM アクセッション コード (例: PDBDEV_00000001) は発行されません。

既存のエントリは、新しい PDB アクセッション コードを含むように修正され、再リリースされました。 PDB と PDB-IHM (使用可能な場合) の両方のアクセッション コードは、IHMCIF ファイルの database_2 カテゴリに記載されます。さらに、integrative手法の由来は _struct.pdbx_structure_determination_methodology に記録されます。検証レポートは、PDB アクセスコードに基づいて更新されました。

PDB-IHM ウェブサイトは、PDB と PDB-IHM の両方のアクセスコードを使用して、統合構造の検索とアクセスができます。

2024年8月14日

PDB-IHM システムを支えるデータ標準である IHMCIF が、Journal of Molecular Biology の 2024 年計算リソース特集号に掲載されました: Vallat B et al., IHMCIF: An Extension of the PDBx/mmCIF Data Standard for Integrative Structure Determination Methods, J Mol Biol. 2024; 168546. doi: 10.1016/j.jmb.2024.168546.

2024年4月17日

PDB-IHM 検証レポートをバージョン 1.1 に更新できました。 今回の更新では、検証レポート生成ワークフローとデポジットおよびキュレーション パイプラインの統合となりました。検証レポートは、アクセスコードの発行とともに、データ登録のプロセス中に生成されるようになり、デポジッターがこれらのレポートを確認してプレリリースを共有できるようになりました。他の変更点としては:

  • MolProbity をバージョン 4.5.2 にアップデート
  • SASプロットの表示に若干の変更が加えられました
  • sasCIFのサポートが向上

2024年4月17日

CASP (Critical Assessment of protein Structure Prediction) チャレンジは 2 年ごとに開催されます。 CASP 主催者は現在、2024 CASP16 チャレンジのターゲットを以下のカテゴリーで募集しています:

  • Single protein structures
  • Protein complexes
  • Nucleic acids structures and complexes
  • Organic ligand-protein complexes
  • Ensembles of macromolecule conformations
  • Integrative modeling

CASP の発展は、構造生物学コミュニティの寛大な参加と適切なターゲットのデータの提供によってのみ可能になります。CASPターゲットはCASPのオーガナイザーまたPDBに直接提出することができます。 データの提出に関する詳細については、CASP16 website ウェブサイトまた wwPDB ニュース サイトをご覧ください。

統合モデリングカテゴリーに属するCASPターゲットはPDB-Devへの投稿を歓迎しております。CASP ターゲットの提出については、helpdesk@pdb-ihm.org宛てに電子メールで PDB-IHM チームに連絡してください。

2024年1月29日

2024 年 1 月 22 日より、PDB-IHM は API を介して統合構造の自動登録を受け入れます。登録者達は、コマンドラインインターフェイス(CLI)ツールを使用して、IHMCIFファイルをアップロードし、提出用の新規エントリーを作成することができます。このツールは、DERIVA scientific asset management platformが提供するderiva-py python APIを使用して実装されています。CLI ツールは、一括アップロードや単一のコレクションに属する複数のエントリの作成に特に便利です。詳しくはデポジションに関する資料をご覧ください。

2023年3月28日

PDB-IHMチームは、単一の研究プロジェクト、調査と出版物を含む範囲内で生成された構造間のリンクを適切に反映する新機能「構造コレクション(structure collections)」を発表できることを嬉しく思っています。ハイスループットの実験手法や、AlphaFoldRoseTTAFoldなどの人工知能に基づく計算ツールを利用して生成された構造の数が増加するにつれ、構造コレクションを通して、関連するエントリをリンクする便利な方法が可能になります。エントリのセットは登録中に同じのコレクションに属するものとして識別できます。コレクション識別子はバイオキュレーション中に発行され、関連するエントリのリストは、コレクション識別子を照会することでいつでも取得できます。

構造コレクションの実装とテストを手伝ってくれたRappsilber ラボのAndrea Graziadeiさん に感謝します。この機能の詳細については、PDB-Devの最初のエントリのコレクションをご覧ください。添付の論文では、細胞内光架橋質量分析法と深層学習を使用した新しい統合モデリング手法の開発について、述べています。

2022年10月1日

最初の 100 件のエントリーが一般に公開することは PDB-IHM の重要なマイルストーンとして発表できることを誇りに思います。この成果は、PDB-IHM チームwwPDB IHM task forceメンバー、wwPDBリーダー、RCSB PDBチームメンバー、そして統合構造生物学の研究結果を共有することの重要性を最初に認識したパイオニア登録者達の継続的な協力の成果です。PDB-IHM プロジェクトはアメリカ国立科学財団に支援されています。

最初の100個のエントリは、現代の統合モデリングの複雑な状況を垣間見せてくれます。化学架橋を使用した実験モデルが主要なカテゴリーですが、三次元電子顕微鏡 (3DEM)、小角溶液散乱 (SAS)、フォースター共鳴エネルギー移動 (FRET) などの技術と強力な AI de novo 構造予測のベースの手法により、統合モデリングに使用されるデータセットの 50 を超えるユニークな組み合わせが得られます (下図を参照)。統合構造は生体分子が自然な状態に近い状態でどのように機能するかについての洞察を得るまたとない機会を提供するため、これらの研究の多くは、『Cell』、『Nature』、『Science』、『Proceedings of the National Academy of Sciences』、『Journal of Molecular Biology』などの雑誌で紹介されています。

私たちは、生体分子の統合構造を検索、アクセス、相互運用、再利用の可能にするために、FAIR guiding principlesに従って PDB-IHM を設計しました。皆様のご協力をいただきながら、PDB-Devを改良し続け、より良いアーカイブと構造検証サービスをユーザーの皆様に提供していきます。

統合モデリング研究に使用されたデータセットの組み合わせとPDB-IHMエントリーに含まれる頻度

2022年9月3日

長い間、統合モデリングの開始構造の主なソースは、Protein Data Bankからの実験構造、様々な比較モデリングアプローチを使用して生成された計算モデルでした。近年の機械学習革命は、AlphaFold2RoseTTAFoldのようなモデリング手法の開発につながり、タンパク質の高品質な予測構造の全く新しい世界をもたらしました。現在、個々のタンパク質や複合体の予測構造は、複数のデータベースで2億個以上公開されています。そして今、これらの構造がついに統合モデリングに導入されようとしている。

PDBDEV_00000141では、Nooneらがペントラキシンタンパク質PTX3の構造を報告しています。このタンパク質は可溶性パターン認識分子のファミリーで、自然免疫の重要な部分を形成しており、炎症などのプロセスを引き起こすことによって、感染や損傷に対する反応を促進します。PTX3の完全な構造は、3次元電子顕微鏡マップ、質量分析データ、およびAlphaFoldベースの初期モデルを用いた統合モデリングによって構築されました。

2022年7月8日

wwPDB IHM TaskForce (Berman et al. 2019)に基づいて、PDB-IHM にアーカイブされた構造の検証レポートを開発しました。検証レポートの最初のバージョンは、2022 年 7 月 8 日にリリースされました。検証レポートに関する追加のドキュメント情報も提供されます。

検証レポートは、(i) モデルの構成、(ii) データ品質評価、(iii) モデル品質評価、(iv) モデルの構築に使用されたデータへの適合という 4 つのカテゴリで構成されます。現在、wwPDB SAS 検証タスクフォースによって公開されたガイドラインに基づいて、小角散乱 (SAS) データを使用して構築されたモデルのデータ品質評価とモデルの構築に使用されたデータへの適合性が評価されています。

統合構造の検証は現在進行中であり、さまざまな実験方法 (FRET、化学架橋、3DEM など) に基づいてモデルを検証するための追加基準は、その後の検証レポートのバージョンに組み込まれる予定である。

ご質問やご意見がございましたら、メールにてご連絡ください。

2022年7月8日

PDB-Devに登録された構造のエンバーゴ(HOLD)ポリシーを更新しました。wwPDBのポリシーに従って、登録日から最長 1 年間、エントリーを保留することができます。保留期間の終了時にエントリが解放されないままである場合、エントリは解放されるか撤回される必要があります。2022年6月24日までに、1年以上HOLDとなっていた未発表作品はすべてリリースされた。最新のエンバーゴ・ポリシーは2022年7月1日から有効となります。

2021年6月18日

私達は新しいデータ収集システムを開発した。このシステムは、PDB-Devで統合構造をアーカイブするために、すべて必要な情報収集と準拠したmmCIFファイル作成ためのWebインターフェイスを提供する。また、統合構造、関連する空間的制約と使用される開始モデル、モデリングプロトコルおよびメタデータ情報 (引用文献、著者、ソフトウェア、外部リポジトリ内のデータ、参照配列情報など) の提出が含まれる。

このデータ収集システムは多様なと異質なタイプの統合構造および拘束データを収集するための自動メカニズムを提供する。このシステムは、DERIVA 科学資産管理プラットフォームを使用して開発されており、IHMCIF辞書と親のPDBx/mmCIF辞書の定義に基づきます。

アカウントの作成とデータの送信に関するドキュメントを含むユーザーガイドも作成されました。

ご意見・ご感想はhelpdesk@pdb-ihm.orgまでお寄せください。

初歩的なファイルアップロード機能を備えた古い登録システムは、2022 年 6 月 3 日をもって廃止されました。

2021年12月15日

新しいデータ収集システムの開発を含む、PDB-Dev の最近の更新についての論文は、Acta Crystallographica Section D に発表されました:Vallat B et al., New sytem for archiving integrative structures, Acta Cryst. 2021; D77: 1486-1496. doi:10.1107/S2059798321010871

2020年7月2日

最近、PDB-Dev チームは BioExcelウェビナー シリーズに参加しました。 ウェビナー プレゼンテーションのタイトルは「PDB-Dev: 統合構造をアーカイブするためのプロトタイプシステム」です。ウェビナーの録画版はyoutubeでご覧いただけます。

2020年5月20日

PDB-IHMでMolstarを使った構造の3D可視化が可能になりました。PDB-Devに登録されている構造は、それぞれのエントリーページから直接可視化することができます。Molstarは原子構造だけでなくマルチスケール構造も可視化できます。

統合構造は、Molstarビューアーを使ってオンラインで可視化することもできます。

Molstar PDBeRCSB PDB PDBによって開始され、高分子のデータ配信と解析ツールのための技術スタックを提供するオープンな共同研究です。

Molstar はまた開発中ですが、問題があればMolstar GitHub サイトで連絡してください。

2020年3月4日

PDB-IHM ウェブインターフェイスは動的で応答性が高く、モバイル対応のウェブページを提供するために改良されました。新しくデザインされたウェブサイトは、バックエンドインフラストラクチャの徹底的な見直しにより開発しました。

PDB-IHMのウェブサイトには、PDB-IHMにアーカイブされた統合構造の検索と取得を容易にする新しいサービスが含まれています。 高分子名(例:核膜孔複合体)、エントリー識別子(例:PDBDEV_00000012)、使用した実験手法(例:NMR、3DEM、CX-MS)、著者名(例:Sali)、使用したソフトウェア(例:IMP、HADDOCK、ROSETTA)、その他いくつかのキーワードによる簡単な検索に対応しました。検索結果はCSVまたはEXCELファイルとしてダウンロードできます。

また、構造の概要 (タイトル、説明、著者) とともに、引用、ソフトウェア、入力データ、関連リソースへのリンク、構造のダウンロードに関する他の詳細を提供する個別のエントリ ページも追加しました。

ユーザーからのフィードバックをお待ちしております。ご意見・ご感想は helpdesk@pdb-ihm.org までご連絡ください。

2020年3月4日

2019年3月、メリーランド州ボルチモアで開催された生物物理学会年次総会において、「構造モデルとデータの連携に向けた取り組み」と題したサテライトワークショップが開催され、現在の進捗状況を評価し、統合構造をアーカイブするためのさらなる要件について議論しました。このワークショップの主な目的は、統合構造生物学に貢献するさまざまな科学コミュニティの専門家を集め、共通のデータ標準の作成、連合データ交換方法の構築、統合構造の検証メカニズムの開発に伴う課題に対処するための合意を構築することでした。 ワークショップの成果をまとめたホワイトペーパーが最近「Structure」雑誌に掲載されました。

Berman HM et al., Structure. 2019 Dec; 27(12):1745-1759. doi: 10.1016/j.str.2019.11.002.

2020年3月4日

PDB-Devからダウンロードしたマルチスケール統合構造は、ChimeraXソフトウェアを使って可視化することができます。

現時点で、ChimeraXはまた開発中です。可視化にはChimeraXのDaily Buildの使用を推奨します。

ChimeraXが現在サポートしているOSについては、Daily Build Notesをご参照ください。

統合構造はテキスト ファイルとしてダウンロードでき (右クリックして名前を付けて保存)、ダウンロードしたファイルへの絶対パスとともに「format ihm」コマンドラインのオプションを使用して、ChimeraXで開くことができます:

open path/to/myfile.cif format ihm

あるいは、次のコマンドを使用して、PDB-IHM からのエントリを直接可視化することもできます (例: PDBDEV_00000010)。

open 10 from pdbdev ignoreCache true


最新情報

IHMCIF辞書の更新に伴い、PDB-IHMのエントリーファイルが最近更新されました。

PDB-IHMからダウンロードした古いファイルは、最新のChimeraXではサポートされません。同様に、新しいPDB-IHMファイルは古いバージョンのChimeraXではサポートされません。

PDB-IHMから新しいファイルをダウンロードするか、ChimeraXにキャッシュされているIHMファイル(~/Downloads/ChimeraX/PDBDev)を削除してください。

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